女性研究者の研究がライフイベントにより中断や遅滞を招くことなくスムーズに遂行されるよう支援し、研究力やリーダーシップを向上させることを目的に実施している女性研究者研究活動支援事業（拠点型）の一環として第2回「女性研究者交流会」を3月5日、熊本大学薬学部大江キャンパス内「宮本記念館」で開催しました。

  講師に金沢大学 理工研究域 環境デザイン学系 教授で学長補佐・男女共同参画キャリアデザインラボラトリー長を併任され活躍中の池本良子先生を迎え、講演の後、直接意見交換することで自身のキャリアを築く一助にしていただきたいと定員２０人で企画したもので研究者、女子学生や院生・ポスドクなど、大学コンソーシアム熊本所属の大学5校から参加がありました。

　金沢大学では、平成20年∼22年度、女性研究者支援モデル育成事業「やる気に応えます金沢大学女性研究者支援」を実施され、男女共同参画キャリアデザインラボラトリ―を設置して、女性研究者支援の基盤整備を実施（文部科学省からＡ評価）。池本先生は、平成23年度よりラボラトリー長に就任後、新たな体制でスタートされ、同23年には排水処理や水質浄化について研究し，酸素を好む微生物を使った排水処理施設で発生する余剰汚泥の新しい分解方法を開発したことなどが評価され財団法人ソロプチミスト日本財団から「環境貢献賞」を受賞されています。

　平成24年度からは、男女共同参画推進担当の学長補佐も兼任、平成25年度に、「女性研究者研究活動支援事業（拠点型）」において「北陸地域における女性研究者ネットワーク（Hokuriku Women Researchers' Network）構築」が採択され、「地域で活躍し世界に情報発信できる女性研究者リーダー」を育成するという事業に取り組まれています。

　今回は「キャリアデザイン～私の場合～」のテーマで、池本氏がどのような経緯で研究者になり、結婚子育てを経て、現在のキャリアに至ったかのお話を伺った後、質疑応答があり、このまま研究を続けても、就職できるか心配という声に対しては「あまり将来を悲観せず、まずは自分のやりたい研究に集中すること。そのうち道は開けてくると思っていたほうが続けられる。自分の周りもそうだった」とのアドバイスがあるなど、熱心に意見交換が行われました。

　参加後のアンケートには「いろいろな立場の方から様々な視点の話が聞けてとても有意義だった」、「リラックスした雰囲気で情報交換できてよかった」、「進路に悩んでいたが、今後もこのような機会があれば是非参加したい」、「育児中の男性研究者やその上司にもご参加いただきたい」等の意見が寄せられました。

講師　金沢大学　理工研究域環境デザイン学系　

　　　　　　　教授　池本　良子（いけもと　りょうこ）氏

（　第　２　回　女　性　研　究　者　交　流　会　の　過　去　の　記　事　）

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

　女性研究者研究活動支援事業（拠点型）　

「女性研究者交流会」のご案内

　このたび、熊本県内の女性研究者の研究がライフイベントにより中断や遅滞を招くことなくスムーズに遂行されるよう支援し、研究力を向上させることを目的に実施している女性研究者研究活動支援事業（拠点型）の一環として下記のとおり「女性研究者交流会」を開催します。

　研究者としてのみならず金沢大学学長補佐・男女共同参画キャリアデザインラボラトリー長を併任され活躍中の池本先生の経験談に触れ、直接意見交換することで、自身のキャリアを築く一助にしていただきたいと、今回の交流会を企画しました。女子学生や院生にもお声掛けいただき、ふるってご参加ください。